ミャンマー人材、出国制限で計画に狂いも─特定技能・技能実習が直面するリスク

7月度の日本経済新聞によりますと、日本を目指すミャンマー人材がここ数年で急増する中、現地の軍事政権による出稼ぎ制限の強化が、企業の人材受け入れ計画に深刻な影響を及ぼす可能性が出てきました。
出国許可が急激に取りにくくなる現状、特に介護や外食産業などで多くの外国人が働く「技能実習」や「特定技能」の在留資格は、その多くが出国前に取得必須とされるOWIC(海外就労許可証)の発給に依存しています。
ところが、2025年2月以降、ミャンマー政府はこのOWICの新規発給を一時停止。3月に再開はしたものの、月に数百〜千件未満という極端に低い発給数に抑え込まれています。2025年1月には月に約5000件(うち3000件が日本向け)だったことを考えると、極端な制限です。
このままでは、企業側が計画していた採用人数を確保できなくなるリスクが高まりつつあります。
「裏ルート」も存在するが…
こうした制限の影響で、一部では政府の目をかいくぐって陸路でタイに渡り、そこから日本に向かうルートを選ぶ動きもあります。しかし、軍政は空港や国境での取り締まりを強化しており、いつまでも見過ごすとは考えにくい状況です。
また、仮にこうしたルートで幸運にも日本に到着できたとしても、パスポートの有効期限は5年間。その間に出国ルートが問題視され、違法出国が発覚するリスクも否定できません。
その場合、厳しい処罰を恐れて日本国内で「失踪者」になる可能性さえあるのです。これは本人にとっても受け入れ側にとっても望ましい形ではありません。

男性・女性問わず、送り出しに制限
軍政は、徴兵対象年齢と同じ18~35歳の男性を中心に、出稼ぎ手続きの凍結対象を拡大。女性であっても、送り出し機関が発行できる日本向けの求人票が月15人に制限されており、人数の上限で女性の出国も難しくなっている現実があります。
このような状況下では、送り出し機関側も計画的な派遣が難しくなっており、最終的に25年は前年比で渡航者数が半減するという見方も出ています。
日本企業に必要な「リスク分散」
日本ではこれまで、中国やベトナムなどに加えてミャンマー人材への依存が進んできました。しかし、こうした政情リスクは、特定の国に人材源を集中させることの危うさを改めて浮き彫りにしています。
代替の人材源として注目されている*南アジア(ネパール、スリランカ、バングラデシュなど)**でも、政変や経済不安が起こっており、「どの国でも安定的に人材を確保できる」という保証はありません。
まとめ
ミャンマー人材の出稼ぎを巡る状況は、「急増」から「急減」へと一変する可能性をはらんでいます。
● 特定技能・技能実習人材の出国許可が取りにくくなっている
● 裏ルートは存在するが、長続きする保証はなく、違法出国のリスクを抱える
● 送り出し機関への規制強化で女性人材も日本への出国が困難に
● 日本企業は人材戦略の再設計や複数国からの採用ルート確保が急務
政情が不安定な国から採用は、法人の採用計画を不安定にします。中長期的な人材確保の戦略を立案する際には、政情の安定性も加味するべきです。
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